企業のコンプライアンス
コンプライアンス (Compliance) ということばを最近よく耳にします。(要求・命令などに)従うこと、応じることを意味する英語のカタカナ読みです。要約すると、「法令をきちんと守って企業活動を行う」ということです。
企業の社会的使命、責任という考えが一般化してきていますが、法令を守るということは、現代では企業の社会的使命、責任となってきています。
最近、独占禁止法が改正され、公正取引委員会の権限が大幅に強化されました。多くの談合事件も摘発され、建設会社など公共事業に関わる企業、多くの業務を受注する企業に対しては、行為規範が厳格化される方向にあるといえます。
これに対して、ITや投資関連の新しいビシネスなどが隆盛を極める昨今、一部の企業においては、どうしても金銭の動きのみにとらわれてしまう傾向もあり、コンプライアンスが浸透しているとはいい難い現実があります。
帝国データバンクの調査によると、企業倒産の中で、コンプライアンス違反を理由とする件数が相当数あること、とりわけ平成17年度にはコンプライアンス違反を理由とする企業の倒産が急増したという結果が報告されています。
企業であれば利益を追及するのは当然ですが、金銭的な利益のみを強調してしまうと、足もとをすくわれることもあります。法令をきちんと守った上で、利益を追求して行くことが、企業の社会的信用を高め、安定した経営に結びつくのだと当事務所では考えています。
以下、コンプライアンスとして何をしたら良いかについて、いくつかの例をあげてご説明したいと思います。