自動者を運転していたら、交通事故にあってしまい私の自動車が壊れてしまっただけでなく、積んでいた荷物まで壊れてしまいました。加害者に対して、どのような請求ができるのでしょうか?
自動車が壊れたなどの損害
このように自動車や積載物などが壊れた場合を「物損(ぶっそん)」と呼び、主に以下の損害について請求ができます。
- 修理費
- 代車使用料
- 営業損害(例:店舗に車が飛び込んだ場合などの営業ができない期間の損害)
- 自動車の買替差額
買った直後に追突された場合や、いわゆる全損の場合に、同程度の新車購入費用から下取り価格を差し引いた額を請求するものです。
裁判では、修理代や実際に壊れた自動車の中古市場での価格を基準に損害を計算するので、買替差額までは認められないことがほとんどです。
新車のベンツを買って、引き渡された20分後に追突された事案でも、修理代のみを損害として、買替差額は否定した裁判例があります。 - 評価損
事故によって、修理しても事故車として自動車の価値が下がってしまった分の損害です。
通常の事故では、将来の中古車市場での価格低下までの認定は困難として、裁判では認められないことが多いようです。自動車の中枢部への影響が残る可能性がある場合に、修理代の2割程度が評価損として認められることがあります。 - 注意点
交通事故が発生した場合、ふつう、損害賠償保険を使って解決をはかることになります。その場合、法律上すべての自動車保有者が加入しなければならない自賠責(強制)保険のほか、自動車の保有者が保険会社と個別的に契約する任意保険の2種類がありますが、自動車保有者の中には、自賠責保険だけしか加入せず、任意保険に加入していない方が多くいます。それを非難するのはさておき、物損は自賠責保険では弁償されないことに注意してください。その場合、相手方に直接請求することになりますが、うまく交渉できない場合、最寄りの簡易裁判所で調停をしてもらうか、(請求額によりますが)簡易裁判所もしくは地方裁判所に損害賠償請求の民事裁判を起こすことによって解決することになりますし、相手方の支払い能力の問題も出てきます。
そういった場合に備え、自分の自動車に物損に備えた車両保険を掛けておいた方が無難でしょうか。
ケースごとに事情は大きく異なりますので、弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることが必要でしょう。