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所長あいさつ

ごあいさつ

 以前から書いていますが、私の趣味の一つに山歩きがあります。「山歩き」と書き、「登山」と書かないのは、ザイルや特殊な技術を使って急峻な岩や厳寒の山に挑戦することはせず、季節、天候などを見据え、基本的に2本足で歩ける程度の山歩きを楽しむことをするモットーとしているからです。

 弁護士という仕事をしていて思うことは、山歩きと少し共通点があるかなということです。

 弁護士になるには、(私の時代に法科大学院がなかった)みな一斉に同じ司法試験を受け、司法試験に合格すると、翌年の4月から2年間、順次、司法研修所、裁判所、検察庁、弁護士事務所で司法修習(職業訓練のようなもの)を行い、再び司法研修所に戻って修習し、最後に受ける卒業試験(私たちは、二回試験と呼んでいます)に合格しなければなりませんでした。

 弁護士になった後も、さらにもっと違う苦労がありそれが続いてきたというのが現実でした。以上を山歩きに例えると、苦労して歩き、やっと一つの峰に到達し、それなりの達成感を味わっても、さらに向こうにもっと高い頂を見るということになります。実際の山歩きではどこかで最高地点に達し、あとは下山するだけとなりますが、仕事はそうはゆきません。より高い山が無限に続くような気がします。

 これは、弁護士の仕事に限ったことではなく、実は、職業のすべてがほぼ同じだと思います。私たちはみな、中学、高校、専門学校、大学(場合によっては大学院)のどこかを最終的な学校にして、以後は仕事に就くと思います。仕事に就けば、学生時代の達成感とはほぼ無関係に、新たに技術なり技能を習得し、それに磨きをかけていかなければなりません。そのレベルはかなり高いところまでありますから、退職するまでは修行が続くということなのでしょう。

 私自身、何度も仕事の壁に突き当たったような気がします。そうした場合、もしかすると弁護士には向いていないのではないか、ふさわしい他の仕事があるのではないかと考えたこともありますが、転職がそんなに甘いものでないこともわかっていたので、何とか踏みとどまり、現在に至りました。

 今思うことは、この職業を良しとして受け入れ、依頼を受けた事件については、自我を捨てて最善を尽くす、依頼者とできるだけ対話をし、最善の結果を目指して一緒に闘ってゆくということです。もちろん、証拠などいろいろな理由から依頼者が希望する結果が得られないこともあります。そうした場合、言い訳はせず、事件や依頼者と向き合い、対話することではないかと思います。

 人間が社会の中で生きる以上、他者とのコミュニケーションは本質的な課題です。私自身、コミュニケーションがうまいか下手かと問われれば、うまいとは言えないと思います。しかし、職業柄、それでは済まされませんし、人との出会い、コミュニケーションは、むしろ人生におけるダイナミズムではないかと前向きに考える昨今ではあります。

 さて、弁護士に事件を依頼するとお金がかかる、というのは嘘ではありません。それは世界のどこでも同じです。弁護士は法的トレーニングを積んだ典型的な技術職であり、弁護士に支払うべき着手金や報酬はその技術料だということになります。

 弁護士を頼むときは、弁護士費用だけではなく、自分が抱えている法的な問題の経済的価値全体に目をやり、総合的な判断で「損得」を考えるのがよいでしょう。 ふつうの弁護士であれば、依頼者の利益を十分考慮し、依頼者に大きなリスクを負わせるような受任や弁護士費用の設定はしないと思います。それも実は弁護士の技術の一部なのです。

 どうしてこの事件にこの弁護士費用なのか、疑問があれば遠慮なく質問していただきたいと思います。当事務所では、事件をどういう方向で解決すればよいのかなど、依頼者に対して丁寧に説明をし、不安を少しでも解消したいと考えています。

 弁護士費用は専門的な技術料ゆえにある程度高いから経済的な理由でこれを支払えない人は弁護士を利用できないのかといえば、そうではありません。

 日本司法支援センター(法テラス)での法律扶助制度があります。当事務所の弁護士は法テラスの契約弁護士です。一定の収入以下であることが法律扶助の条件ですが、当事務所では、その条件にあてはまるかどうかの判断を含めて説明をし、法テラスへの申し込みもサポートしています。法テラスで法律扶助が認められれば、当事務所で事件をお引き受けできます。

 どうぞ、お気軽にお電話、ご連絡ください。

 

平成29年8月 記

すんぷ総合法律事務所 所長弁護士 津田 薫